定期点検や修繕工事には、適法な状態を保つためや安全確保のためなど、いくつかの目的が上げられますが、
その中の1つにライフサイクルコストを考えた、資産の維持・向上のためという考え方があります。
建物の生涯に掛かる費用をライフサイクルコストといいます。
生涯の費用とは、建築前の企画設計段階から建物を取り壊すまでの費用です。
ライフサイクルコストの中で新築時の工事費の割合が大きいと思われがちですが、
竣工後から解体廃棄されるまでの期間に建設費のおよそ3~4倍の費用がかかるといわれています。
計画性の無い、経年変化に従った維持管理計画では突発的な修繕工事が発生するため、予算計画が困難なうえ安全性の確保も難しくなります。計画的に小規模な修繕やメンテナンス、定期的な点検を行うことによって、一時的に費用が発生してもライフサイクルコストは抑えられますので、しっかりと手入れをしてあげて資産価値を高め、建物の寿命を延ばしてあげることが大切です。